世界の片隅で生きています

社会不適合者の生きる道

2020年を振り返って

今日は2020年最後の1日、大晦日だ。

自分の部屋の掃除すらまだ終わっていないけど、年を越す前にどうしても書いておきたいことがあって、今パソコンに向かっている。

今までは毎年、新年になると「今年の目標を立てなきゃいけないな。」とは思いつつ、結局具体的な目標を立てることもなく、なんとなく日々を過ごす内に年末を迎えてしまうという1年の繰り返しだった。

だけど今年はこのブログの場をお借りして、私の今年1年間を振り返りたいと思う。

もし、もう大掃除も済ませて、テレビの特番もつまらないという方がいらっしゃったら、このブログを今年最後の暇つぶしにでも読んで頂きたい。

 

まず今年2020年を語る上で、新型コロナウイルスの話題は絶対に避けることができない。

私は今年の新年を日本で過ごし、1月6日から2月16日までを中国のウルムチにある彼の実家で過ごした。

当初は1ヵ月ほどウルムチに滞在し、その後上海に戻る予定だったが、予想だにしない新型コロナウイルスの発生により、当初の計画よりも長くウルムチに滞在することになった。

彼の両親は状況が落ち着くまでウルムチの家に居ればいいと言ってくれたが、その頃は感染者が中国のみならず世界各国でも増加の様相を見せていて、このままいくといつ日本に戻れなくなるかもわからない状況だった。

その状況を鑑みて、私の留学していた大学も予定していた授業開始時期を当分の間延期にすることを発表し、また大学の学生寮は外部からの立ち入りを一切禁止とした。

 

日本に帰るにしても、その帰国の途で感染のリスクが全くないとは言い切れない。

私はこのまま彼の実家で上海に戻れる日を待った方がいいのか、それとも早い段階で日本に戻った方がいいのか、その時はコロナウイルスがいつ収束するのか見当も付かなかったので、判断を下すまでに相当迷った。

しかし最後は1ヶ月半お世話になった彼の両親に別れを告げて、ウルムチから北京を経由して日本に帰る決断をした。

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ウルムチのマンション群とシアター(通称 玉ねぎ)

日本に戻ってきてから2週間は自宅待機をし、それからは大学のオンライン授業を受けながら、短期のアルバイトを探した。 

その時の私はまだ、コロナウイルスが今年中に収束し、2020年の9月には上海に戻れるかもしれないという楽観的な希望を胸に生活をしていた。

だからこそ短期のアルバイトを探していたのだが、時期が悪いためか求人数は非常に少なく、私を採用してくれる会社にもなかなか出会えなかった。

この時の辛い心情を過去のブログで綴っているが、今となっては「そんな時期もあったな。」と過去を客観的に振り返られるようになった。

 

渦中にいる時は、この苦しみが一生続くんじゃないかと思い、絶望しかけることもあるかもしれない。

でも生きている限り、希望はある。

そう思って、今の自分にできることから一つずつ取り組んでいけば、いつかの日か必ず希望の光が差し込む瞬間に出会えるはずだ。

 

私は今アルバイトではあるけれども仕事を見つけることができ、少ないながらも毎月の収入を得られるようになった。

結局、上海に戻って留学生活を続けることは叶わなかったけど、日本にいてもやる気さえあれば中国語を習得できることもわかった。

だから私は自分の今いる場所で、自分の取り組むべき課題に毎日真剣に取り組もうと心に決めた。

そういう行動の積み重ねによって、現実が少しずつ好転していくと信じている。

 

最後に忙しい中、私のブログを見にきてくださった方々、本当にありがとうございました。

皆さまも良いお年をお迎えください。

私はやっとブログを書き終えたので、これから自分の部屋の掃除に取り掛かりたいと思います。 

私の胃袋を満たしてくれた食べ物たち【上海】

日本の生活にどっぷり浸かっている今、思うこと。

それは上海留学中に、もっと中国各地の料理を食べたり、国内旅行に出かけたりして、中国での生活を存分に享受しておけば良かったなと。

今となってはそう思うけれど、当時は毎月の生活費を安く抑えようと節約を心掛けていたし、何よりも正直外に出るのが怖かった。

寮から一歩外に出た途端、中国語という言葉の壁が私の前に立ちはだかるからだ。

臆病な私はそれが怖くて、知らない場所に一人で出歩くことはあまりなかった。

それでも時々、上海の友人の家に遊びに行かせてもらったり、同じクラスの留学生とご飯を食べに行ったりすることはあったけれども。

その他の理由として、宿題が思ったよりもボリュームがあって、またそれをこなす私の中国語のレベルが追いついていないこともあり、なかなか自由な時間を作り出すことが難しかったのも理由としてあるかも。

 

私は普段、大学の食堂や寮の周辺にある学生向けのお店で食事を済ませていた。

一食大体15元(240円)程度でおかず3品と白米が食べられるし、味もなかなか良かった。

もちろん麺類のメニューも豊富に揃っている。

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ある日の夕食。ナスの甘辛炒め、骨付き鶏肉とピーマンと枝豆の炒め物。

ちなみこのスープは無料で付いてくるけど、味がほとんどない。


お昼時や夕食時になると、食堂はたくさんの学生で溢れかえっていて、席を探すのも一苦労という状況に見舞われる。

そして非常に賑やかだった。

落ち着いてゆっくり食事ができる環境ではないが、比較的安全な食事を安価で食べられるのが大学の食堂の利点なのかもしれない。

 

 

私は朝ごはんを食べなくても平気な人間なのだが(空腹は感じる)、授業中にお腹が鳴ってしまうのを回避するために、留学中は朝食を少し食べるようにしていた。

授業がある日の朝は少し早めに寮を出て、通学途中にある屋台で肉まんと温かい豆乳を買って、誰もいない教室でゆっくりと朝ごはんを食べるのが私の日課になった。

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ある日の昼食。茶葉と醤油で煮込んだ卵と肉まん、紫芋あんのデニッシュみたいなもの。

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紫芋あんのデニッシュの中身はこんな感じ。外はサクサク、中はしっとり。

程よい甘さで飽きが来ない。


私が毎朝決まって買いに訪れていた屋台の店主はとても感じが良くて(中国ではなかなか珍しい)、決して飾っ気があるとは言えない装いだったけど、色白の肌が印象的な綺麗な人だった。

聞くところによると、その女性は安徽省出身で、ご主人と一緒にお店を営んでいるようだった。

以前、安徽省の人は商売に長けている人が多いと聞いたことがあるような気がする。

時々フォルダの中の写真を見返しながら、「今もきっと毎日、学生の胃袋を支え続けているのだろうな。」とぼんやり思いを巡らせたりもする。

 

今となっては日本の生活にどっぷりと浸かり、毎日時間に追われている内に1日が過ぎ去って行く。

ふとした瞬間に「去年の今頃は‥‥。」と当時を振り返って、また中国に戻りたいと思うことが度々ある。

それがただの現実逃避から来るものなのかもしれないという憶測は捨て切れないが、私にとって中国はやはり縁のある国なのだと思わざるを得ない。 

笑いあり、涙ありのオススメ中国映画【観ればきっと心も軽くなる】

オススメの映画あります!

 

日々の生活に疲れて、ちょっと気分転換したい時ありますよね。

そんな時は、笑いあり涙ありの中国のコメディー映画はいかがですか?

映画を観終わった後、何とも言えない爽快感と温かい気持ちに満たされること間違いなしです!

今回は私のオススメの映画を3本、ご紹介したいと思います。

 

 

 

1.夏洛特烦恼(シャールオの特別な悩み)

f:id:shijiedejiaoluo:20201201093835j:plain引用元:<a href="https://movie.douban.com/subject/25964071/">豆瓣电影</a>

 

【あらすじ】

主人公のシャールオはかつて自分が片思いをしていた学校のマドンナ的存在、チウヤーの結婚式に参加する。

豪華なホテルで盛大に挙式が行われる中、シャールオは祝いの席でかつてのクラスメート達と久々の再会を果たす。

そして周りのクラスメート達がそれぞれの事業で成功を収める中、シャールオは自分一人だけが何事も成し遂げられていないことに気が付く。

いたたまれなくなったシャールオは、お酒の力と式場の雰囲気に流されて、花嫁であるチウヤーにしつこく絡む。

そこにシャールオの妻であるマードンメイが現れ、シャールオを説得して家に連れて帰ろうとする。

しかし、泥酔状態のシャールオは、マードンメイに従うどころか、彼女に暴言を吐き捨てトイレに逃げ込み、そのままトイレで寝てしまう。

夢の中でシャールオは高校時代に戻っていた。

そこから今までの鬱憤を晴らすため、シャールオの快進撃が始まるのだが···。

 

【おすすめポイント】 

最近、人間関係に疲れているという方に是非観て頂きたい映画です。

忙しい日々の生活の中で、私達が見落としがちな大切なものに気づかせてくれます。

私たちは失ってみて、初めてその存在の大きさに気づくのかもしれません。

コメディー映画ではあるけど、最後はグッと胸に来るものがあります。

 

 

2.李茶的姑妈(リチャードの叔母)

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引用元:<a href="https://movie.douban.com/subject/25964071/">豆瓣电影</a>

 

【あらすじ】

主人公のリチャードは貧乏人だが、彼の叔母は世界的な大富豪で、2人はリチャードが生まれてから今まで一度も面識がない。

リチャードはお高くとまった金持ちの娘と結婚するため、叔母に2人の仲介役を頼み、顔を貸してほしいと懇願する。

しかし、叔母からの助けは見込めそうにない。

それぞれに下心を抱いた一行(リチャード、ジェリー、ファンツァンハイ)は、同僚であるファンツァンハイ(男性)をリチャードの叔母に仕立て上げる。 

そして3人はグルになり、それぞれの私欲のためにリチャードの結婚を成功させようとする。

まさにその時、なんと本物の叔母が現れたのだった···。

 

【おすすめポイント】

登場人物がそれぞれの私利私欲のために、「そこまでするの!?」っていうぐらい大奮闘する様子は とても滑稽で、観ていて本当に笑えます。

あまり深く考えずに映画を楽しみたいという方にオススメの作品です。

私利私欲に走る人々が最後に迎える結末とは一体どのようなものでしょうか? 

 

 

3.羞羞的铁拳(ネバー・セイ・ダイ)

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引用元:<a href="https://movie.douban.com/subject/25964071/">豆瓣电影</a>

 

【あらすじ】

ボクシング選手として八百長試合をするアイディシェンと人一倍正義感の強いスポーツ記者のマーシャオはお互いのことを良く思っていない敵同士。

ある日2人は予想もしない状況下で雷に打たれ、なんと体が入れ替わってしまう。

体が入れ替わってしまった2人はお互いを苦しめ、ボクシング界に実在する八百長の事実を暴露することで、ボクシング界にも大きな衝撃を与える。

2人は山積みの厄介事を解決するため、ついに“卷莲门”の副家元であるチャンジュユの指導の下、悪の勢力に立ち向かうため羞羞の鉄拳を学び始めるのだった···。

 

【おすすめポイント】

マーシャオ役のマーリーの演技は圧巻の一言に尽きます。

実はこの方、先ほど紹介した1.夏洛特烦恼(シャールオの特別な悩み)のマードンメイ役の女優さんです。

役によって毎回異なる印象を受けるのは、彼女の演技力の成せる技なのだと思います。

 

 

【まとめ】

今回ご紹介した3つの作品は日本語字幕版もあるみたいです。

中国の映画に興味がある方はもちろん、今まで中国の映画を観たことがない方も気軽に楽しめる映画だと思います。

日常にちょっと疲れた時は、映画の世界に少し足を踏み入れてみませんか?

これらの映画はあなたが笑顔になるきっかけをきっと作ってくれるはずです。

 

 

【写真付き】新疆ウイグル自治区の家庭料理

 

新疆(しんきょう)ウイグル自治区って?

皆さんは新疆ウイグル自治区がどこにあるのか知っていますか?

新疆ウイグル自治区(以下、新疆)は中国の西端に位置する自治区で、中国で最大の面積を誇る行政自治区でもあります。

地図を見て頂けるとわかるように、新疆はインド、パキスタンアフガニスタンタジキスタンキルギスカザフスタンロシア連邦モンゴル国の8ヶ国と国境を接しています。

 

詳しくは下のリンクからどうぞ。

ja.wikipedia.org

 

どうして新疆のウルムチへ?

たまに日本のニュースでも取り上げられますが、実際のところ、多くの日本人にはあまり知られていないのではないかと思います。

以前の私もその例外ではなく、「新疆は中国の西の方にある!」ぐらいの知識しかありませんでした。

当時の私にとって新疆は、全くの未知の場所でした。

しかし新疆出身の彼氏と出会い、彼から新疆について色々と教えてもらう中で、私は自然と興味を持つようになりました。

そして、「いつか遊びに行けたらいいなぁ。」なんてぼんやりと思っていました。

そんな私にチャンスが訪れたのは今年の1月、当時上海に留学中の私はもうすぐ冬休みを迎える頃でした。

その頃、彼の両親が「冬休みが2ヶ月もあるなら新疆に来て、春節(中国の旧正月)を一緒に過ごそう。」と提案をしてくれました。

私はそのご厚意に甘えさせてもらい、新疆のウルムチ市にある彼の実家に約1ヶ月半の間、滞在させてもらいました。

 

新疆の家庭料理をご紹介

彼の実家ではお母さんが、毎日3食手作りの料理を振舞ってくれました。

お母さんは日本人の私が普段どんなものを食べているのかわからないので、料理が私の口に合うかどうかを心配していましたが、お母さんの作る料理はお世辞抜きにおいしかったです。 

おかずは基本的に炒め物が多く、いつも2~3品作ってくれました。

味付けは比較的シンプルですが、ニンニクと唐辛子が多めに入っているので香りが良く、まさにご飯が進むおかずでした。

 

炒め物をする時、「そんなに油を使うの?」ってぐらい油をたくさん使います。

でも強い火力で一気に炒めてしまうので、野菜はシャキシャキと食感が良く、私は全く胃もたれしませんでした。

味の特徴を一言で表現するなら、しょっぱ辛い物が多く(でもすごくしょっぱい訳ではない)、日本のように砂糖を多く使った料理は出てきません。

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左手前から、エビとニラの炒め物、スペアリブ、青菜とカリフラワーの炒め物

 

主食はお米や麺、小麦粉で作った粉食で、この日は重湯と中国のパンが主食でした。

写真の奥に写っている三角形のパンは、生地が何層にも重なり合っていて、茶色の部分にはクミンが塗ってあります。

市場で買ってきたものをオーブントースターで温めると、生地がカリッとして、クミンがさらに香ばしく香ります。

ただ口の中の水分が全て持って行かれるので、重湯(写真左)との組み合わせは理にかなっていると思いました。

マッシュルームは日本のものよりも大きくまた肉厚で、私はこのマッシュルームの炒め物が好きでした。

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マッシュルームと青菜の炒め物、お粥、中国のパン

 

中国の北部では、麺や餃子、マントウ(肉まんの餡なし)などの小麦粉を使った食べ物が好んで食べられています。

お母さんもよく、小麦粉と水から手作りした麺料理を食べさせてくれました。

当然のことながら、手作りの麺はコシがあっておいしいです。

市販のものとは食感が全然違います。

スープはトマトベースのものが多かったです。

というのも、お母さんは家庭菜園でトマトを育てていて、一度に食べきれないほどのトマトが収穫できるので、瓶に詰めて保存食にしていました。 

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パクチーと刻みニンニク、お酢を少し入れて食べるともっとおいしい

新疆といえば、羊肉料理が大変有名なのですが、実はお母さんも私も羊肉があまり好きではないため(※火鍋と串焼き羊肉は除く)家では1,2回ぐらいしか食べませんでした。

お父さんが私に食べさせようと思って買ってきた大量の羊肉を、お母さんがお父さんに文句を言いながら料理をしていたのはいい思い出です。

 

まとめ

今回紹介した家庭料理はほんの一部分に過ぎません。

でもなんとなくでも、イメージが伝わったらいいなぁと思います。

日本ではなかなか食べられないような本場の新疆料理をたくさん食べた結果、1ヶ月半で5キロぐらい体重が増えましたが、それでもまだ食べられなかった料理がいっぱいあります。

中国は本当に食べ物の種類が多いです。

そして一度食べたら忘れられない、そんな料理がたくさんあります。

今後は家庭料理だけではなく、お店で食べた新疆の名物料理なども紹介していけたらと思います。

 

 

 

留学前にこんな勉強しておけば良かった

私が中国に留学して痛感した「留学前にやっておけば、こんなに悩むこともなかったかも。」と思ったことをお話しします。

留学前に何を意識して勉強したら、留学後の後悔を少しでも減らすことができるのか、少しでも参考にして頂ければ幸いです。

 

 

 

 

留学前にHSK5級とHSKKを受験したけど…

私は中国留学の際、孔子学院の奨学金制度を利用して留学をしました。

奨学金を申請するにはいくつかの条件を満たしている必要があります。

私の希望するコースの場合は、

 

1.HSK3級180点以上

2.HSKK(スピーキングテスト)の受験経験があること

 

上記の2つが必須条件でした。

当時私は、スコアが高ければ高いほど申請にも有利に働くと思い、試験でより高い点数を取ることを目標にして、中国語を勉強していました。

なので、HSKの過去問をただひたすら解き、リスニング問題をディクテーションするという方法で、最終的にHSK5級244点を取ることができました。

HSKKは受験経験があれば可とのことだったので、対策はほとんどせず、とりあえず初級を受験しました。

最後は無事に奨学金申請も通り、上海外国語大学に研修生として留学できることになりました。

 

留学後にぶち当たった言葉の壁

2019年の9月、それまで勤めていた会社を辞め、新たな生活の地である上海に渡りました。

留学前にある程度中国語を勉強したとは言え、自分の中国語が一体どこまで通用するのか全く想像がつきませんでした。

そんな期待と不安の入り混じった私を待ち受けていたのは、やはり大きな言葉の壁でした。

留学当初、現地の人の話す中国語はいくつかの単語しか聞き取れず、結局何を聞かれているのかよくわかりませんでした。

かろうじて相手の言っていることが聞き取れたとしても、中国語で何と言ったらいいのかわからず、上手く伝えることができないのです。

最終的には「はい」か「いいえ」を答えることで精一杯といった状態でした。

HSK5級相当の中国語レベルだからと言って、必ずしも中国人とのコミュニケーションがスムーズに行えるレベルではないと痛感しました。

留学中は日々の出来事に一喜一憂し、自分の中国語の出来なさに自信を失いました。

そして、どうしたら中国語が話せるようになるのかを常に思い悩みながら、留学生活を送っていました。

 

話せるようになるには話す練習をするしかない

思い返してみると、私は今までずっと中国語を読むことや書くことに重点をおいて勉強してきました。

ペーパーテストで良い点数を取るための勉強は、あくまでも中国語の読み書きの能力を高めるための勉強です。

いくら中国語を見たり聞いたりしていても、実際に中国語を口に出してみなければいつまで経っても話せるようにはなりません。

赤ちゃんが、毎日お母さんの話す言葉を耳にして、初めは上手く発音できなくても何回も何回も繰り返し練習することで、だんだんと話せるようになるのと同じです。

当たり前のことかもしれませんが、私はこの時ようやく、自分の中国語を話す量が圧倒的に足りていないことに気が付きました。

そのことに気づいてからは、授業以外でも中国語を話す機会を作ろうと、スピーキングの教科書を使ってシャドーイングの練習を始めました。

初めて見る文章の中には当然読み方のわからない単語がたくさん出てきます。

まずは読み方のわからない単語のピンインを調べて、教科書に鉛筆で書き込みました。

次は実際に音声を聞きながら、自分も同じように発音してみます。

最初は口が回らず、全然スピードについていけないので嫌になりました。

しかし諦めずに粘り強く練習していく内に、徐々に同じ速さで読めるようになりました。

 

口で覚えると言っても過言ではない

よく「語学学習はスポーツと同じ」という言葉を聞きます。

中国語に限らず外国語を話す場合、日本語を話す時とは全く異なる口の形や舌の使い方をします。

最初は頭で考えながら、唇や舌を動かして、正しい発音ができているのか確認しながら練習します。

これを何回も何回も繰り返していくと、いちいち頭で考えなくても正しい口の形や舌の位置がわかるようになってきます。

正しい発音ができるようになったら、次は短い文章を、短い文章がスラスラと出てくるようになったら、次は少し長い文章を、といった具合に練習することで、相手の問いかけに対してもすぐに反応できるようになると思います。

 

とにかく中国語を話してみよう

実際に私もシャドーイングを続けることで、日常でよく使う言い回しや常套句などを覚え、徐々にではありますが、簡単な問いかけなどにはすぐに答えられるようになりました。

また中国人の方から「発音がきれいだね。」と褒めてもらえた時には、諦めずに中国語を勉強していて良かったなぁと嬉しく思いました。

 

もし留学前に何をどんな風に勉強したらいいのかよくわからないという方がいたら、私はシャドーイングや音読をおすすめします。

とにかく声に出して、中国語を話してみましょう。

その地道な積み重ねが、きっとあなたの留学生活をより有意義なものにしてくれるはずです。